アップデート及び初期状態の確認

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RockyLinux
2025.05.31
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◆はじめに

前回に続いて、Rocky Linux 9 サーバ構築手順次のステップは「アップデート」及び「初期状態の確認」についてです。
当ブログサイトを運用しているサーバは、「KAGOYA JAPAN」で提供されている「KAGOYA CLOUD VPS」を利用しています。

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◆アップデート

インスタンスを作成し、Tera Termでコンソールログインできたら、初期アップデートを実行します。

# dnf update
'～ 中略 ～'
Total download size: 631 M
Is this ok [y/N]: y
'～ 中略 ～'
Complete!

1行目：dnfコマンドでアップデートに実行
　　　「-y」オプションを付けることで4行目の応答を省略できる

◆初期状態の確認

・OSバージョン

OSのバージョンを確認

$ cat /etc/redhat-release
Rocky Linux release 9.4 (Blue Onyx)

1行目：Red Hat系Linuxディストリビューションのバージョン情報ファイルの内容を表示
2行目：Rocky Linux バージョン9.4コードネームBlue Onyx

その他の確認コマンド

unameコマンド
$ uname -a
Linux marusrv.maruweb.jp.net 5.14.0-503.40.1.el9_5.x86_64 #1 SMP PREEMPT_DYNAMIC Wed Apr 30 17:38:54 UTC 2025 x86_64 x86_64 x86_64 GNU/Linux

1行目：unameコマンドでシステム情報を表示。-a（all）オプションですべて表示
2行目：各部分の説明

  1. Linux – カーネル名（オペレーティングシステム名）
  2. marusrv.maruweb.jp.net – ホスト名（FQDN形式）
  3. 5.14.0-503.40.1.el9_5.x86_64 – カーネルバージョン
    • 5.14.0: メインカーネルバージョン
    • 503.40.1: Red Hat/Rocky Linuxのパッチレベル
    • el9_5: Enterprise Linux 9.5 対応
    • x86_64: 64ビットアーキテクチャ
  4. #1 – カーネルのビルド番号
  5. SMP PREEMPT_DYNAMIC – カーネルの特徴
    • SMP: Symmetric Multi-Processing（マルチプロセッサ対応）
    • PREEMPT_DYNAMIC: 動的プリエンプション機能
  6. Wed Apr 30 17:38:54 UTC 2025 – カーネルのコンパイル日時
  7. x86_64 x86_64 x86_64 – プロセッサアーキテクチャ情報
    • 1番目: ハードウェア名
    • 2番目: プロセッサタイプ
    • 3番目: ハードウェアプラットフォーム
  8. GNU/Linux – オペレーティングシステム
unameコマンドオプション

unameコマンドのオプションで個別の情報を確認できる

$ uname -s
Linux
$ uname -n
marusrv.maruweb.jp.net
$ uname -r
5.14.0-503.40.1.el9_5.x86_64
$ uname -v
#1 SMP PREEMPT_DYNAMIC Wed Apr 30 17:38:54 UTC 2025
$ uname -m
x86_64
$ uname -p
x86_64
$ uname -i
x86_64
$ uname -o
GNU/Linux

1行目：カーネル名
3行目：ホスト名
5行目：カーネルバージョン
7行目：カーネルビルド番号等
9行目：ハードウェア名
11行目：プロセッサタイプ
13行目：ハードウェアプラットフォーム
15行目：オペレーティングシステム

hostnamectlコマンド
$ hostnamectl
 Static hostname: marusrv.maruweb.jp.net
       Icon name: computer-vm
         Chassis: vm
      Machine ID: 213xxxxxxxx14ecxxxxxxxx1dc4ea6xx
         Boot ID: 3d96xxxxxxxx4802xxxxxxxx36fcxxxx
  Virtualization: kvm
Operating System: Rocky Linux 9.5 (Blue Onyx)
     CPE OS Name: cpe:/o:rocky:rocky:9::baseos
          Kernel: Linux 5.14.0-503.40.1.el9_5.x86_64
    Architecture: x86-64
 Hardware Vendor: RDO
  Hardware Model: OpenStack Compute
Firmware Version: 1.16.3-2.el9

1行目：systemd環境でホスト名とシステム情報を表示・設定するコマンド
　　　引数なしで実行すると、現在のシステム情報を詳細表示
2行目以降：各行の説明

  1. 基本情報
    • Static hostname: marusrv.maruweb.jp.net
      • 静的に設定されたホスト名（FQDN形式）
    • Icon name: computer-vm
      • システムアイコンの種類（仮想マシンを示す）
    • Chassis: vm
      • システムの種類（仮想マシン）
  2. システム識別情報
    • Machine ID: 213xxxxxxxx14ecxxxxxxxx1dc4ea6xx
      • システム固有の識別ID（/etc/machine-idに格納）
    • Boot ID: 3d96xxxxxxxx4802xxxxxxxx36fcxxxx
      • 現在の起動セッション固有のID（再起動ごとに変更）
  3. 仮想化情報
    • Virtualization: kvm
      • KVM（Kernel-based Virtual Machine）上で動作していることを示す
  4. OS情報
    • Operating System: Rocky Linux 9.5 (Blue Onyx)
      • OSの名前とバージョン、コードネーム
    • CPE OS Name: cpe:/o:rocky:rocky:9::baseos
      • CPE（Common Platform Enumeration）形式でのOS識別名
    • Kernel: Linux 5.14.0-503.40.1.el9_5.x86_64
      • カーネルのバージョン情報
    • Architecture: x86-64
      • システムアーキテクチャ（64ビット）
  5. ハードウェア情報
    • Hardware Vendor: RDO
      • ハードウェアベンダー（RDO = Red Hat OpenStack Distribution）
    • Hardware Model: OpenStack Compute
      • ハードウェアモデル（OpenStackの仮想マシン）
    • Firmware Version: 1.16.3-2.el9
      • ファームウェア（BIOS/UEFI）のバージョン
/etc/os-releaseファイル
$ cat /etc/os-release
NAME="Rocky Linux"
VERSION="9.5 (Blue Onyx)"
ID="rocky"
ID_LIKE="rhel centos fedora"
VERSION_ID="9.5"
PLATFORM_ID="platform:el9"
PRETTY_NAME="Rocky Linux 9.5 (Blue Onyx)"
ANSI_COLOR="0;32"
LOGO="fedora-logo-icon"
CPE_NAME="cpe:/o:rocky:rocky:9::baseos"
HOME_URL="https://rockylinux.org/"
VENDOR_NAME="RESF"
VENDOR_URL="https://resf.org/"
BUG_REPORT_URL="https://bugs.rockylinux.org/"
SUPPORT_END="2032-05-31"
ROCKY_SUPPORT_PRODUCT="Rocky-Linux-9"
ROCKY_SUPPORT_PRODUCT_VERSION="9.5"
REDHAT_SUPPORT_PRODUCT="Rocky Linux"
REDHAT_SUPPORT_PRODUCT_VERSION="9.5"

1行目：Linux標準のOS識別情報ファイル（systemd導入以降の標準）の内容を表示
2行目以降：各行の説明

  1. 基本OS情報
    • NAME: "Rocky Linux" – OS名
    • VERSION: "9.5 (Blue Onyx)" – バージョンとコードネーム
    • ID: "rocky" – OS識別子（小文字、スクリプトで使用）
    • VERSION_ID: "9.5" – バージョン番号のみ
    • PRETTY_NAME: "Rocky Linux 9.5 (Blue Onyx)" – 表示用の正式名称
  2. 互換性情報
    • ID_LIKE: "rhel centos fedora"
      • 互換性のあるディストリビューション
      • Red Hat Enterprise Linux、CentOS、Fedoraと互換
    • PLATFORM_ID: "platform:el9"
      • Enterprise Linux 9プラットフォーム
  3. 表示・デザイン情報
    • ANSI_COLOR: "0;32" – ターミナルでの表示色（緑色）
    • LOGO: "fedora-logo-icon" – ロゴアイコンの参照名
  4. セキュリティ・サポート情報
    • CPE_NAME: "cpe:/o:rocky:rocky:9::baseos"
      • CPE（Common Platform Enumeration）識別名
      • 脆弱性データベースで使用
    • SUPPORT_END: "2032-05-31"
      • サポート終了日（約10年間のサポート）
      • 製品サポート情報
      • ROCKY_SUPPORT_PRODUCT: "Rocky-Linux-9" – サポート製品名
      • ROCKY_SUPPORT_PRODUCT_VERSION: "9.5" – サポート製品バージョン
      • REDHAT_SUPPORT_PRODUCT: "Rocky Linux" – Red Hat互換製品名
      • REDHAT_SUPPORT_PRODUCT_VERSION: "9.5" – Red Hat互換バージョン
  5. 組織・連絡先情報
    • VENDOR_NAME: "RESF" – Rocky Enterprise Software Foundation
    • VENDOR_URL: "https://resf.org/" – 開発組織のURL
    • HOME_URL: "https://rockylinux.org/" – 公式サイト
    • BUG_REPORT_URL: "https://bugs.rockylinux.org/" – バグ報告先
  6. 製品サポート情報
    • ROCKY_SUPPORT_PRODUCT: "Rocky-Linux-9" – サポート製品名
    • ROCKY_SUPPORT_PRODUCT_VERSION: "9.5" – サポート製品バージョン
    • REDHAT_SUPPORT_PRODUCT: "Rocky Linux" – Red Hat互換製品名
    • REDHAT_SUPPORT_PRODUCT_VERSION: "9.5" – Red Hat互換バージョン

・ディスク容量

ディスクの要領を確認

$ df -h --total
Filesystem      Size  Used Avail Use% Mounted on
devtmpfs        4.0M     0  4.0M   0% /dev
tmpfs           1.8G     0  1.8G   0% /dev/shm
tmpfs           730M   17M  713M   3% /run
/dev/vda1        79G  3.1G   73G   5% /
tmpfs           365M     0  365M   0% /run/user/0
total            82G  3.1G   75G   4% -

1行目：df（disk free）コマンドでディスク容量を表示
　　　オプション
　　　　-h：（human-readable）人が読みやすい形式（K, M, G単位）で表示
　　　　–total：全ファイルシステムの合計値を最下行に表示
2行目以降：各行の説明

  1. 列の説明
    • Filesystem: ファイルシステム名・デバイス名
    • Size: 総容量
    • Used: 使用済み容量
    • Avail: 利用可能容量
    • Use%: 使用率
    • Mounted on: マウントポイント
  2. 各ファイルシステムの解説
    • devtmpfs /dev
      • 容量: 4.0MB
      • 用途: デバイスファイル用の仮想ファイルシステム
      • 特徴: RAMベース、デバイス管理用
    • tmpfs /dev/shm
      • 容量: 1.8GB
      • 用途: 共有メモリセグメント
      • 特徴: プロセス間通信、高速アクセス
    • tmpfs /run
      • 容量: 730MB、使用済み 17MB（3%）
      • 用途: 実行時データ、PIDファイル、ソケットファイル
      • 特徴: 起動時に作成される一時的なデータ
    • /dev/vda1 / (ルートファイルシステム)
      • 容量: 79GB、使用済み 3.1GB（5%）
      • 用途: システム全体のメインストレージ
      • 特徴: 仮想ディスク（KVM環境のvirtio-blk）
    • tmpfs /run/user/0
      • 容量: 365MB
      • 用途: rootユーザー専用の実行時ディレクトリ
      • 特徴: ユーザーセッション管理
    • total (合計)
      • 容量: 82GB、使用済み 3.1GB（4%）
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